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舘 幸男; 蛯名 貴憲*; 武田 智津子*; 斎藤 登志彦*; 高橋 宏明*; 大内 祐司*; Martin, A. J.*
Journal of Contaminant Hydrology, 179, p.10 - 24, 2015/08
被引用回数:29 パーセンタイル:74.23(Environmental Sciences)結晶質岩中の核種移行評価においてマトリクス拡散と収着現象の理解は重要である。スイスのグリムゼル原位置試験場から採取した花崗閃緑岩試料を用いて、Cs, Na, IとHTO(トリチウム水)の拡散・収着挙動が、透過拡散試験とバッチ収着試験により調査された。得られた実効拡散係数(De)は、Cs, Na, HTO, Iの順となった。容量因子()と分配係数(Kd)も、同様の傾向を示した。Cs, Naに対する二重プロファイルは、試料表面部のKdの増加によって解釈され、表面分析によって試料表面部の擾乱を受けた黒雲母鉱物の高い間隙率と収着容量の増加に起因することが確認された。二重プロファイルから得られたKdは、バッチ収着試験で得られた粉砕試料のKdの粒径サイズ依存性と関連付られた。グリムゼル試験場で実施された原位置長期拡散試験で得られた試験結果は、室内実験結果とそれらの原位置条件への外挿によって推定された移行パラメータによって良好に解釈された。
Havlov, V.*; Martin, A. J.*; Siitari-Kauppi, M.*; 舘 幸男
no journal, ,
長期拡散プロジェクト(LTD)は、原位置条件でのマトリクス拡散に関する定量的な情報を得ることを目的とした、一連の実験からなる国際プロジェクトである。1回目の原位置拡散試験では、グリムゼル原位置試験場の未擾乱の岩石マトリクス中のボアホール中を、放射性核種(H, Na, Cs)を含むトレーサー溶液を循環させた。トレーサー溶液中の核種濃度の減衰曲線が定期的なサンプリングと分析によって観測された。800日後、拡散試験を終了し、ボアホールがオーバーコアリングされた。放射性核種を含んだボアホール周辺の岩石は切断され、岩石中の濃度プロファイルを測定することにより拡散深さが決定された。非収着性のHはマトリクス中に17cm程度拡散し、弱収着性核種のNaは7cm程度拡散した。収着性のCsは、数mm程度の予測に対して1.5cm程度拡散した。これらの分析結果をもとに、解析評価が実施された。
村山 翔太*; 武田 匡樹; 大野 宏和; 舘 幸男
no journal, ,
複数の割れ目を含む断層帯を対象とした物質移行を評価する上では、実際の断層帯の場の特性を踏まえた適切な物質移行モデルを構築することが必要であり、そのためには原位置トレーサー試験によってトレーサーの移行経路や移行特性に関する情報を取得することが重要である。本発表では幌延URLの350m調査坑道における断層帯を対象としたトレーサー試験によって破過データを取得するとともに、トレーサー試験後に採取したコア試料の観察および割れ目表面のトレーサー濃度分析に基づき、割れ目の空間分布とトレーサーの移行経路の推定を試みた。さらに、それらの情報を基づく、解析モデルを構築し、試験結果の解釈を通じて、モデルの有効性を確認した。